人物考察スペシャル

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  1.ダルタニャン  




さて、我らがダルタニャンといえば

主人公。


で、今更こんなことを聞きますが、
ダルタニャン物語の中の、主人公はダルタニャンなんですか?
一部はそうだけど、二部と三部以降は、群像劇に近いんじゃないかと思うんですが…。

まあダルタニャンの死をもって物語が終結したから
主人公なんでしょう。

アニメでは、はっきりとヒーローのお約束を持って描かれていました。
少なくとも前半までは。

いえ、私は好きですよ。キャラクターとして。
一言で例えると



未完の大器。



そう、将来の元帥です。
パリに出て木ばかりの彼は、向う見ずにも先輩に喧嘩をふっかけたり、
泣く子も黙る鬼宰相の顔をつぶしたり、
ちょっぴりハラハラ、大物の片鱗を見せまくってます。

そして、これは私流の解釈ですが、



天性のアーティスト肌。





言動全てがフリーダム。その常識離れした思考の飛躍。
もしかして、大脳神経じゃなくて、反射神経でものを考えているんじゃないかというくらい。

こういう人を相手にする時は、
一緒に夢が見れる人が理想です。

「パリに象を見に行くんだ!(ワックワク)
「あら、いいわね〜」
「そうだ、鷹に乗って塔に飛び乗ればいいんだ!(ホックホク)
「いい考えね」
「王様に象をもらったよ(ウッキウキ)」
「良かったね〜」

決して人間社会の常識の中に押し込めてはいけないのです。



アニメのダルタニャンは、純朴で誠実で誰でも好かれる人物ですが、
原作ダルタニャンが、醒めた現実主義者で、
かなりSっ気のあるところも、私にとってまた魅力的です。
出世する男はこのくらい鋭利な部分があっていいと思います。



もう少し真面目な話をするのなら、ダルタニャンのような自由人が
どうして17世紀の前半に活躍できたのか?ということですが、
それは、近代軍制の揺籃期であったから、なのではないかと思います。
宗教戦争の混沌のなかから、中央集権国家とそれを支える官僚と国王の直属軍システム
が立ち上がろうとした時代だったからで、こういったシステムが硬直化して疲弊化した
革命前夜には、彼のような存在はむしろ異端分子だったであろうと思うのです。

今で例えるなら、時代を作った最先端のリーダーみたいなものかもしれません。



原作第2部以降、コンスタンスを失ってからのダルタニャンは
浮いた話は一切なし、かといってストイックに軍務に励むわけでもなし。
主人公にロマンスがなくなります。プランシェを半ば古女房替わりにして、
相変わらずの儲け話やら冒険やらを企んでいるのですけど、
デュマの私生活や回想録のダルタニャンからしてみれば
ずいぶん一途にひとりの女性を想うヒーローであるのかもしれません。


さて、アニメのダルタニャンといえば


THE 変装。



【ダルタニャン変装集】
赤いマントの騎士
アトスの死体
懺悔聴解師
お見舞いの女
らくだの手先

他になにかありましたっけ?

二次創作を書くときは、
ダルタニャンらしくするには、ですね……。
打てば響く、みたいに反応を明快に出すようにしています。
あと、変装をいろいろ考えるのは楽しいです。

【今まで書いた変装集】
大工さん
シュヴルーズ公爵夫人の御者
ドイツ人衛兵
侯爵夫人のヒモ
お風呂屋さん(変装ではないけど)

ジプシーの姉弟とかドクターとナースの変装案も
あったんですけどね……。


次々に変装させても、かぶりものをさせてもOK。
忘年会の余興も嬉々としてやってくれそうな、



時代を超えた二枚目



でいつづけてくれることを願います。

 
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